投資家が見た日本が分かる一冊
世界最強の投資家の一人であり、ベストセラー作家でもあるジム・ロジャーズの最新刊かつ初の金言集。米国アラバマ州の小さな街に生まれた少年は、奨学金を得て名門大学を卒業、やがて生き馬の目を抜くと言われるウォール街で巨万の富を得、37歳でリタイヤして世界をバイクと車で二度一周する――。今や、世界三大投資家の一人に数えられる大富豪となった男が、人生と投資において自らが大切にしてきた60の哲学を語る。
投資家ジム・ロジャーズが日本に向けて語った言葉をまとめた一冊。
少子化問題について、はっきりと言い切っている。今の政府(安倍政権)は少子化問題を真剣に取り組むつもりはないのだろうか? 具体的な改善は全く見られない。
過去50年間、日本人は勤勉に働いて、繁栄を築き、
世界第二位の経済大国の地位に上り詰めた。が、
今後50年間、同じような成功を享受できるとは思えません。
特に少子化は大問題です。
有効な手も打たず、移民も受け入れなければ、
人口が減って国民の生活水準は下がる。
そして負債だけが膨らんで、
若者がそれを払い続けなくてはいけないのです。
移民問題も然りだ。投資家の視点からみた日本は、人口の数がもっとも客観的で分かりやすい指標なんだろう。
日本は移民をずっと拒絶していますが、
移民というのは歴史を振り返ってみても、
勇敢で野心を持った賢い人々です。
彼らは子供も積極的につくりますから、
少子化の解消にも貢献してくれるでしょう。
都会(主に東京)に住んでいると人が多くて、少子化や過疎化の実感を持てない。地方から優秀な若者が集まり、地方は仕事がなく、残された土地は過疎化する。東京はモノが溢れ、楽しく、美味しいものもあり、地方に帰りたい(Uターン)なんて思えない。
東京一極集中が、地味に、ボディブローのように国力を弱めていく。
抜本的な対策は難しく、ジム・ロジャーズの言うとおり、ゆっくりと衰退していくのだろう。切羽詰まって、慌てて、へんてこりんな政策を打たないことを願いします。
サラッと読めて、ためになる一冊でした。Kindle版もあります。
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